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『ブラックジャックによろしく』9月15日から二次利用自由化 商業・非商業問わず、ロイヤリティ請求もなし

http://mangaonweb.com/creatorDiarypage.do?cn=1&dn=34269
かねてからお話しておりました「ブラックジャックによろしく」原画展の詳細が決まりましたのでお知らせします。
70枚くらいの原画を展示しようと思っているのですが、どのページを展示するか悩んでおります。リクエストなどありましたらお知らせくださいね。

日程:9月20日(木)~10月2日(火) 12:00–19:00 ※水曜定休日
会場:pixiv Zingaro
入場:無料

■展覧会詳細

この原画展は、「ブラックジャックによろしく」という漫画作品の二次利用の自由化を記念して行なわれるものです。二次利用の自由化は2012年9月15日より行なわれます。

一言で「二次利用の自由化」と言っても、どのようなことを指すのかイメージできないかもしれません。
それは商用・非商用の区別なく、作品を複製し公衆送信し、また、どのような翻案や二次利用(外国語版、パロディ、アニメ化、音声化、小説化、映画化、商品化など)を行なうことも認めるということを指します。

原画データを使用して、日本国内に限らず世界各国で書籍を発行しても構いません。
アプリ化してデータを販売することも、アニメ化、映画化、テレビドラマ化を行ない商業作品として上映することも、関連グッズを制作して販売することも、同人で二次創作を行なうことも、あらゆる作品の二次利用をどなたにでも認めます。
そして、これらの作品の利用について、僕と有限会社佐藤漫画製作所は著作権を行使しません。

ご利用に際して、事前にご連絡は必要ありません。
ロイヤリティ他、報酬は一切要求いたしません。
ご自由に作品をお使いいただければ嬉しいです。

■ 書店は知識を仕入れる場所ではない


ある日曜日の夕方、駅前のある大型書店に立ち寄りました。
店内にお客さんはあまりいなく、僕の著作本は最新作しか売っていませんでした。
書棚には話題の新刊ばかりがずらりと並び、そのラインナップは隣の駅の大型書店に行っても、さほど変わりがないように思えました。

僕が漫画家になった15年前、何か新しい知識を仕入れようと思ったら、まずは書店に向かいました。
店内には様々なジャンルの書籍が並び、雑誌の表紙を見ればその時の最先端の話題を知ることができました。
店舗によって商品のラインナップに個性があり、美術書であればA書店、漫画であればB書店、サブカルチャー系に強いのはC書店というように、欲しい本が特になくても何軒もの書店を渡り歩き、興味のある本に出会うまで書店という世界を楽しむことができました。
レアな本を持っていれば仲間内で自慢できたし、自室の書棚が趣味を表現するアイテムのひとつでした。

しかし今、街から個人が経営する小さな本屋さんは姿を消し、書店と言えば、大型チェーン店が駅前に数軒あるだけです。
少し古い本や流行に乗らない本は、電車に乗って専門書を扱う書店に向かうか、ネット通販で検索しないと手に入りにくくなってしまいました。

書店は知識を仕入れる場所でも、最先端の情報に触れられる楽しい場所でもなくなってしまったのだと思います。

僕は今、情報はインターネットで検索して手に入れます。
玉石混合の情報の中から必要な情報を見つけ出すスキルが重要で、検索で補足できない場合はSNSを利用して、直接、有識者に教えてもらえる場合もありますし、手頃な情報に行き着かなければ、いよいよ書籍を検索して通信販売でそれを購入することもあります。

でも、僕はできれば本は買いたくありません。

有料だからです。
タダでも情報が得られる場合に、それらにお金を払いたくないと思うのは、人間の自然な心理ではないでしょうか。
インターネットを利用するようになってから本を読む量は減りました。
一方で活 字を読む量は増えた気がします。
僕と同じような方も多いのではないかと推測します。
事実、本の売り上げはもう15年も連続して前年を下回っています。

本は重いし、場所をとるので部屋が狭くなります。
もちろん、あの紙の手触りやインクの匂いには愛着もありますが。

■ インターネットと著作権

15年前の僕に「2012年の本屋さんには誰もいないよ。最新情報はネットで手に入れるんだ」と言っても信じたでしょうか。
「だったら、僕は紙と運命を共にするよ」と悲しそうにつぶやくかもしれません。
事実、5年前の僕はそう思っていました。

紙の本に替わる物として電子書籍が注目を集めていますが、そもそも有料で情報を読む意味とは何でしょうか。
情報を書籍というフォーマットに閉じ込めて発信すること自体がもう古いのかもしれません。

僕は情報の受信者としてはネットに依存しつつも、発信者としてはまだまだ出版の世界に身を置いています。

インターネットはコピー&ペーストで1つの情報をどこまでも拡散することができるメディアです。
情報をより多くの人々で共有し、より便利に活用できるように設計されています。
そして、この設計思想は著作権という考え方と真っ向から対立するものです。
著作権とは大きく言えば、著作者の利益を守るための権利です。
漫画であれば、多くの人に読まれれば読まれるだけ、著者に利益がもたらされるようにするのが著作権の考え方です。
多くの人にコピペで拡散できるインターネットとは相性が良くないのかもしれません。

では、漫画はインターネットに進出すべきではないのでしょうか。
僕はそうは思いません。
より多くの人に無料で拡散、共有されることで、作品の著者にも利益が入る仕組みができないでしょうか。

何千年、何万年も前から、人々が芸術やエンターテイメントを求めなかった時代はありません。
それはインターネット時代においてもそうでしょう。
著作権というのはそもそもが創作者が勝ち取ってきた権利で、例えば、土地とか財産とかそういう物の所有権とは比べるべくもなく弱いものです。
従来の著作権を振りかざして利益を得る方法は段々と古くなっていくはずです。

■ 漫画がこの先も続いていくためにはどうしたらよいでしょうか?

著作権という概念に囚われずに、著作で利益を得る方法はないでしょうか。

僕は「ブラックジャックによろしく」という作品の二次利用フリー化を行ないます。
その結果、どのように作品が拡散し、利用され、著者に利益をもたらすのか、もたらさないのか、その調査をしたいと思っています。
その先に見えるものが、きっと次のヒントになると信じています。

次の価値観を創ることこそが、「創造する」ということだと思っています。

会場にはコピー機を置き、自由に原画データを複製できるようにする予定です。


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[ 2012/08/20 ] 漫画 他 | TB(0) | CM(0)


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